3回読んだ。
すごいね、堀江さんの視点は。
一部上場まで登りつめたITの創業社長でしか知り得ない、
業界の裏側で起こったことが描かれています。
醜い部分、エグい部分も赤裸々につづられているよ。
日本で他にこんな小説書ける人はいないのではないか。
三木谷さんと孫さんくらいでしょ。
でもお二方は小説は書かないし、
こんなにストレートにズバッと描写しないと思います。
ボクが本書の中で一番印象に残ったのは、
「悪とは実績、悪とは知恵」
「悪を倒すのは悪」
という部分。
現実世界、例えば社内での出世競争や、
TOBによる企業同士の買収合戦でも、
「悪どいヤツほど勝っているな~」という印象があり、
心の中で「そうだよなーそうだよなー」とガッテンしました。
戦争だと最後に正義は勝つけど、
ビジネスだと正義は勝たないのかな。
ボクは「実業家としてズルさが足りないかも」とも思いました。
読んで良かったか?
良かった。
1990年代から2000年代後半のIT業界のリアルをみることができる。
ネット起業して大物を目指すならこの情報をおさえるのはマスト。
最終的に一部上場を目指すならなおさらです。
印象に残った言葉
世間のITに対する理解について
「マスコミや世間ではITがどうこうと言っているが
その本質を理解している大人は少ない。
それに気づける人と気づけない人がいて
後者が偉そうにしているのが今という時代の特徴に思える。」
IT事業の本質
「ITの本質はガレージオブドリームス」
仲間探し
「金で動かされる人間はダメだ。
価値のあるのは、まぁ使える人間言い換えてもいいけど
金でしか動かない本当のプロフェッショナルか
金では動かない最高のアマチュアなんだよ。」
競合対策
「所詮ビジネスなんて裏のかきあい。」
「結局ね、今のITベンチャーの大半はITじゃないんだ。」
マーケティング
「結局人は自分の信じたいことを勝手に信じ込むんだよ。」
資金調達
「いいかサル、ベンチャーを上場させていれば莫大なお金が転がり込む。
今IT市場にはそれを狙った大物たちがワンサカ集まってきているんだ。」
起業への覚悟
「その頃僕は大学3年の終わりで先輩と会社を作るかどうか少し悩んでいてね。
卒業まで待つか中退のリスクを負って突っ込むか。
起業は傍目にはかっこよく映るかもしれない。
でもその資格は死ぬほど寒い真冬の夜に室外機のぬくもりを頼りに
平然と寝る覚悟がある奴だけに与えられる。」
情報戦で勝つコツ
「高度に発達したIT社会では秘密や機密なんてあってないに等しい。
徹底的にこちらが注意を払っている。
それもまた相手にメッセージとして伝わる。
結局どんなに厳重に守っても情報は奪われるものなんだ。
だが厳重を期せば、相手は情報略取の代償として時間を失う。
相手により多くの時間を消費させる。
それが情報戦で戦うコツだよ。」
アメリカが強い理由
「アメリカが強いのは優れているからではありません。
金儲けのためならどんな悪どいことでも平気でやれるからです。
それが世界標準なのですよ。
何をやってもいいのです。
金儲けためなら何でもありのグローバル時代。」
まとめ
「成金」の書評レビューでした。
ボクの心にグサグサ刺さった言葉も載せました。
きっとこのレビューを読んでいるあなたは、
自分の部屋でヒッソリと小さく起業している人だと思います。
応援しています!というか一緒に頑張りましょう!!
最後まで読んでくれてありがとうございました。